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 医療法人認可申請について

医師若しくは歯科医師が常時勤務する病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院(以下「診療所等」という。)を開設しようとする社団又は財団は、都道府県知事の認可を得て、医療法人とすることができます。


■ 医療法人制度の目的と役割

医療法人制度の目的は、医療を提供する体制の確保を図り、国民の健康保持に寄与することにあります。

その趣旨は、医療事業の経営主体を法人化することにより①資金の集積を容易にするとともに、②医療機関等の経営に永続性を付与し、私人による医療事業の経営困難を緩和することにあります。その結果としては、①高額医療機器の導入が容易になる等医療の高度化を図ることができ、②地域医療の供給が安定する等の事項が考えられます。

医療法人は、自主的にその運営基盤の強化を図るとともに、その提供する医療の質の向上及びその運営の透明性の確保を図り、その地域における医療の重要な担い手としての役割を積極的に果たすよう努めることとされています。

医療法人は、医療事業の経営を主たる目的としています。医療法人は、公益法人と区別されていますが、これは医療事業が公益事業のような積極的な公益性を要求すべき性格のものではないからです。一方、法第54条で剰余金の配当が禁止され、営利法人たることを否定されています。この点で会社法上の株式会社等とも区別されています。

 医療法人社団と医療法人財団

医療法人には、「医療法人社団」と「医療法人財団」の2種類があり、その違いはおおむね次のとおりです。

医療法人社団
複数の人が集まって設立される医療法人であり、設立のため、預金、不動産備品等を拠出するものです(医療法改正(平成19年)により、平成19年4月1日以降は出資持分の定めのある医療法人を設立することはできなくなりました。)。医療法人が解散したときは、法第44条第5項及び定款に定める方法により残余財産を処分します。

※「定款」で基本事項を定めます。

医療法人財団
個人又は法人が無償で寄附する財産に基づいて設立される医療法人です。医療法人が解散したときは、法第44条第5項及び寄附行為に定める方法により残余財産を処分します。

※「寄附行為」で基本事項を定めます。

 医療法人の設立

1.医療法人の設立申請ができる方について

(1)医師又は歯科医師である方

(2)欠格条項(法第46条の4第2項)に該当していない

(ア)成年被後見人又は被保佐人でない方

(イ)医療法、医師法、歯科医師法及び関係法令により罰金以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった日から起算して2年が経過している方

(ウ)禁錮以上の刑に処せられ、その執行を終わり、又は執行を受けることがなくなった方

2.医療法人の設立者について

(1)医療法人社団の設立者

(ア)医療法人社団の設立者の員数は、通常、設立者全員が成立後の医療法人社団の社員となりますので、3名以上が必要です(上記1の医療法人の設立申請ができる方を含む。)。

(イ) 医療法人社団の設立者は、3名以上の設立者により医療法人社団の基本事項である定款を定めた後、設立総会を開催し、設立時に決定すべき事項を決議して、その議事録を作成します。 

(2)医療法人財団の設立者

(ア)医療法人財団の設立者の員数は、少なくとも上記1の医療法人の設立申請ができる方がいれば、1名以上で設立できます。 

(イ)医療法人財団の設立者(設立者が2名以上あるときは、その全員)は、医療法人財団の基本事項である寄附行為を定め、設立時に決定すべき事項を決議して、その決定事項を確認できる書面(設立趣意書など)を作成します。

3.医療法人の構成について

(1) 役員

(ア)役員の種類・人数

① 医療法人には、役員として、理事3人以上及び監事1人以上を置かなければなりません。 

② 成年被後見人又は被保佐人など、法第46条の4第2項に該当する者は、医療法人の役員になることはできません。

③ 役員は、自然人に限られます。

④ 未成年者が役員に就任することは、適当ではありません。

⑤ 医療法人と取引関係にある営利法人の役員が医療法人の役員に就任することは、非営利性という観点から原則認められません。

⑥ 医療法人の役員は、その任務を怠ったときは、当該医療法人に対し、これによって生じた損害を賠償する責任を負います。

(イ)理事

① 理事は、医療法人の常務を処理します。


② 医療法人が開設する全ての診療所等の管理者は、理事に就任しなければなりません。

③ 実際に法人運営に参画できない者を名目的に選任することは適当ではありません。 

④ 理事は、医療法人に著しい損害を及ぼすおそれのある事実があることを発見したときは、直ちに、当該事実を監事に報告しなければなりません。

⑤ 理事は、医療法人との利益が相反する取引を行う場合には、理事会において、当該取引につき重要な事実を開示し、その承認を受けなければなりません。また、当該取引後遅滞なく理事会に報告しなければなりません。 

(ウ)理事

① 理事のうち1人は理事長とし、医師又は歯科医師である理事のうちから選出します。 

② 理事長は、医療法人を代表し、医療法人の業務に関する一切の裁判上又は裁判外の行為をする権限を有します。 

③ 複数の医療法人の理事長を兼務することは不適当です。

④ 理事長は、3か月に1回以上、自己の職務の執行の状況を理事会に報告しなければなりません。ただし、定款又は寄附行為で毎事業年度に4か月を超える間隔で2回以上その報告をしなければならない旨を定めた場合は、この限りでありません。 ・

(エ)監事

① 監事の主な職務は、以下のとおりです。 


・医療法人の業務を監査すること。・医療法人の財産の状況を監査すること。・医療法人の業務又は財産の状況について、毎会計年度、監査報告書を作成し、当該会計年度終了後三月以内に社員総会又は評議員会及び理事会に提出すること。・監査の結果、医療法人の業務又は財産に関し不正の行為又は法令若しくは定款若しくは寄附行為に違反する重大な事実があることを発見したときは、これを知事、社員総会若しくは評議員会又は理事会に報告すること。

② 監事は理事会に出席する義務があり、必要があると認めるときは意見を述べなければなりません。

③ 監事は、当該医療法人の理事又は職員を兼ねることができません。

④  ③以外に、次の者は、監事に就任することができません。

・ 医療法人の理事(理事長を含む。)の親族(民法第725条の規定に基づく親族)・ 医療法人に拠出している個人(医療法人社団の場合)・ 医療法人と取引関係・顧問関係にある個人、法人の従業員(例:医療法人の会計・税務に関与している税理士、税理士事務所等の従業員)

⑤ 監事の職務の重要性にかんがみ、財務諸表を監査しうる者等を選任してください。実際に法人監査業務を実施できない者が名目的に選任されることは適当ではありません。

(2)社員・・・医療法人社団の場合

(ア)医療法人社団は、複数の人が集まって組織された団体で、その構成員を社員といいます。従業員とは異なります。


(イ)社員は、社員総会という合議体の一員なので、原則として3人以上必要です。 

(ウ)社員は社員総会において法人運営の重要事項について議決権及び選挙権を行使するものであり、実際に法人の意思決定に参画できない者を名目的に選任することは適当ではありません。

(エ)社員の入社については社員総会で適正な手続がなされ、承認を得ることが必要です。また、社員は定款上の手続を経て退社します。

(3)評議員・・・医療法人財団の場合

(ア)評議員会を組織する評議員の人数は、理事の定数を超えていなければなりません。


(イ)評議員は、評議員会を構成する一員で、次に掲げる者とします。

① 医師、歯科医師、薬剤師、看護師、その他の医療従事者

② 病院、診療所、介護老人保健施設又は介護医療院の経営に関して識見を有する者

③ 医療を受ける者 

④ その他特に必要と認められる者

(ウ) 評議員は、上記イのとおり、医療法に列挙された自然人に限られます。それ以外の者や株式会社等の法人は選任できません。また、上記イの中の一定の者や特殊な関係にある団体等の関係者だけに片寄ることなく選任する必要があります。

(エ)評議員は、当該法人の役員又は職員を兼ねることができません。 

(オ)評議員としての職務を行使できない者を名目的に選任することは適当ではありません。 

4.医療法人の名称について

(1)「医療法人社団」「医療法人財団」は必ず表記してください。

(2)誇大な名称は避けてください。(例)○○クラブ、○○研究会、○○グループ、セントラル、○○センター、第一○○、優良○○

(3)国名、都道府県名、区名及び市町村名を用いないでください。

(4)既存の医療法人(県内及び他県の隣接地域にあるものを含む。)の名称と、同一又は紛らわしい表記は避けてください。

(5)取引会社等関係がある営利法人等の名称は用いないでください。

(6)診療科名を単独で法人名に使用することはできません。ただし、固有名詞(「クリニック」等)と組み合わせて使用することは可能です。

(7)広告可能な診療科名として認められていないものを名称の中に含めることはできません。詳細は、「医業若しくは歯科医業又は病院若しくは診療所に関する広告等に関する指針(医療広告ガイドライン)(平成30年5月8日付医政発0508第1号)」を参照してください。

(8)当て字等で通常の漢字と異なる読み方になるもの(アルファベット表記で読めないものを含む。)は避けてください。

(9)設立認可申請の際は、重複等がないか医療法人名簿でご確認のうえ、事前に医療安全課医療法人担当に医療法人名称の照会を行ってください。

5.医療法人の財産について

(1)拠出(寄附)財産

(ア)財産の種類

① 基本財産 ・・・・・・・・・・・・・ 不動産等の重要な資産

② 通常財産 ・・・・・・・・・・・・・ 基本財産以外の資産

(イ)財産の額

① 土地、建物不動産鑑定評価書又は固定資産評価証明書の額
② 建物附属設備減価償却した簿価
③ 現預金残高証明書にある金額の範囲内医業未収金については直近2か月分の診療報酬等の決定通知書の金額の範囲内
④ 医療用器械備品減価償却した簿価
⑤ 什器・備品減価償却した簿価
⑥ ソフトウェア減価償却した簿価(償却済みのソフトウェアは拠出することができません。)
⑦ 電話加入権標準価額又は財産評価基本通達の定めによる評価額
⑧ 保証金等契約書の金額※ 契約書に保証金の償却に関する条項がある場合は、償却後の金額(契約終了時に返還される金額)

※ 減価償却については、「基準日」があります。

(ウ)医療法人は、開設する診療所等の業務を行うために必要な施設、設備又は資産を有している必要があり、それに見合った財産の拠出(寄附)が必要です。

(エ)拠出(寄附)財産は、拠出(寄附)者に所有権があり、医療法人に拠出するのが適切なものとします。個人的な医師会(歯科医師会)の入会金等は拠出できません。棚卸資産(医薬品、衛生材料等)、消耗品、一括償却資産及び中小企業者の少額減価償却資産の取得価額の必要経費算入の特例(租税特別措置法第28条の2)の適用を受けた資産、営業権、繰延資産(開業費等)、前払費用等についても同様に拠出できません。

(2)負債の引継ぎ

(ア)拠出(寄附)財産の取得時に発生した負債は、医療法人に引き継ぐことができますが、借入日より後に支払いを行っている必要があります。なお、法人化前の運転資金に充てた負債は引き継ぐことができません。


(イ)拠出(寄附)と債務引継ぎは同時に行うことが必要です。設立時に拠出(寄附)した財産の取得に係る負債を、設立後に引き継ぐことはできません。

(3)運転資金

(ア)原則として初年度の年間支出予算の2か月分に相当する額以上が必要です。


(イ)預金等、換金が容易なものとします。 

(ウ)設立後の金融機関等からの借入金(借入予定額)は、運転資金として算入できません。 

(4)各種契約

(ア)設立認可に当たっては、拠出(寄附)財産に加え、診療所等を法人開設するに当たって必要な契約(建物賃貸借契約(覚書を含む。)、物品売買契約等)が締結されている必要があります。

(イ)基金拠出契約についても、締結されている必要があります。 

6.基金制度(医療法人社団の場合)

(1)基金とは、医療法人社団に拠出された金銭その他の財産であり、医療法人が拠出者に対して、定款の定めるところに従い返還義務を負うものです。基金制度を採用することにより、剰余金の配当を目的としないという医療法人の基本的性格を維持しつつ、その活動の原資となる資金を調達し、その財産的基礎の維持を図ることができます。

(2)基金制度を採用する場合は、医療法人は、制度について定款に定めなければなりません。

(3)基金を引き受ける者の募集をしようとするときは、その都度、次に掲げる事項を定めなければなりません。

① 募集に係る基金の総額

② 金銭以外の財産を拠出の目的とするときは、その旨及び当該財産の内容・価額

③ 金銭の払込み又は②の財産の給付の期日又はその期間

(4)医療法人は、募集に応じて基金の引受けの申込みをしようとする者に対して、基金の募集事項に関する通知をしなければなりません。

(5)医療法人は、申込者の中から基金の割当てを受ける者を定めて、その者に割り振る基金の額を定めなければなりません。この場合は、当該申込者に割り当てる基金の額を、申込額より減額することもできます。

(6)基金を引き受けようとする者が、基金の総額の引受けを行う契約を締結する場合(1人で基金の全額を引き受ける場合)は、(4)、(5)の基金の申込み及び割当てに関する手続は不要です。

(7)基金に拠出する現物拠出の価額の総額が、500万円を超える場合は、その価額が相当であるという弁護士、弁護士法人、公認会計士、監査法人、税理士又は税理士法人の証明(様式任意)が必要です。

(8)次に掲げる者は、(7)の証明をすることができません。

① 医療法人の社員、役員、従業員

② 基金の引受人

③ 業務の停止の処分を受け、その停止の期間を経過しない者

④ 弁護士法人、監査法人又は税理士法人であって、その社員の半数以上が①及び②に掲げる者に該当する場合

(9)基金の返還は、定時社員総会の決議によって行わなければなりません。医療法人は、ある会計年度に係る貸借対照表上の純資産額が次に掲げる金額の合計額を超える場合は、当該会計年度の次の会計年度の決算に関する定時社員総会の日の前日までの間に限り、当該超過額を返還の総額の限度として基金の返還をすることができます。

① 基金(代替基金を含む。)の総額

② 資産につき時価を基準として評価を行っている場合において、その時価の総額がその取得価額の総額を超えるときは、時価を基準として評価を行ったことにより増加した貸借対照表上の純資産額

(10)(9)に違反して基金の返還をした場合は、返還を受けた者及び返還に関する職務を行った業務執行者は、医療法人に対して、連帯して(9)に違反して返還された額を弁済する責任を負います。また、(9)に違反して基金の返還がされた場合は、医療法人の債権者は、返還を受けた者に対し、返還の額を医療法人に対して返還することを請求することができます。

(11)基金の返還を行う場合は、返還する基金に相当する金額を代替基金として計上する必要があります。代替基金は、取り崩すことができません。

(12)基金の返還に係る債権には、利息を付することができません。

(13)特定医療法人及び社会医療法人は、基金制度を採用することができません。

7.医療法人の成立について

医療法人は、認可を受けただけでは成立しません。医療法人の主たる事務所の所在地において、組合等登記令(昭和39年政令第29号)の定めるところにより、設立の登記をすることによって成立します。

■ 医療法人設立認可申請の手順

医療法人の設立認可申請から登記までのスケジュールは、おおむね以下のようになっています。

医療法人
設立認可申請
手続き
↓ 定款・寄附行為等の法人計画の作成
↓ 設立総会の開催
↓ 設立認可申請書の作成
↓ 設立認可申請書の提出(仮申請)
↓ 設立認可申請書の審査
↓ 設立認可申請書の本申請
↓ 医療審議会への諮問
  設立認可書交付
登記手続き設立登記申請書類の作成・申請
登記完了(法人成立)

 医療法人設立認可申請の提出書類について

医療法人認可申請に関して提出が必要になる主な書類の一覧です。

 医療法人設立認可申請書
 定款(寄附行為)
 設立総会議事録
 設立趣意書
 財産目録
 財産目録明細書
 ・不動産鑑定評価書
 ・減価償却計算書
 ・現物拠出の価額証明書
 ・基金拠出契約書等
 ・拠出(寄附)申込書
 ・預金残高証明書
 ・診療報酬等の決定通知書
 ・設立時の負債内訳書
 ・負債の説明資料
 ・負債の根拠書類
 ・債務引継承認願
 リース物件一覧表
 リース契約書(写し)
 リース引継承認願
 役員・社員名簿
 履 歴 書
 印鑑登録証明書
 委任状
 役員就任承諾書
 管理者就任承諾書
 理事長医師免許証(写し)
 管理者医師免許証(写し)
 理事医師免許証(写し)
 診療所等の概要
 ・周辺の概略図
 ・建物平面図
 不動産賃貸借契約書(写し)
 ・賃貸借契約引継承認書(覚書)
 ・土地・建物登記事項証明書
 ・近傍類似値について
 事業計画書(2年間)
予 算 書
・予算明細書
・職員給与費内訳書
実績表(2年間)
確定申告書(2年間)
診療所の開設届及び変更届の写し