遺言書の作成を「地域の身近な行政手続きの専門家の行政書士」がお手伝いさせていただきます。どうぞご気軽にご相談ください!
■ 遺言(遺言書)とは?
遺言(いごん・ゆいごん)とは、(15歳以上で十分に理解できる意思能力を有する人が)死後に残る自分の財産(遺産)の相続人への分配(分割)を円滑に進めるための意思表示で、遺言書を作成しておくことにより相続財産の承継について遺言者ご自身の意思を反映させることが可能となります。また遺言書で残された家族に対してメッセージ(感謝の気持ち)を伝えることも可能です。
遺言書は、法律で定められた方式で作成されたものでなければ法的効果を生じません。法律で定められた遺言の「普通方式」としては,自筆証書遺言(民法968条),公正証書遺言(民法969条),秘密証書遺言(民法970条)があります。
※上記の「普通方式」の遺言以外に、「特別方式」の遺言として緊急状態にある場合に認められる遺言等があります。
■ 遺言書を作成しておくことのメリット
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■ 公正証書遺言とは?
公正証書遺言(民法969条)とは,2人以上の証人の立ち合いのもとに,遺言者が公証人に対して遺言の内容を口授し,公証人がそれを筆記して遺言書を作成し,遺言者と証人がその筆記が正しいことを確認した上で各自署名押印し,公証人が法律に従って作成した旨を記述して署名押印するという遺言作成の方式です
公証人という専門家に遺言書の形式を確認して筆記してもらうため、様式などの記載ミスが起こることはなく法的にも確実な遺言書の作成が可能になります。さらに、原本が公証役場に保存されるので、遺言書が破棄・改ざんされるリスクがなくなります。また、遺言者が文字を書けない状態であっても、公証人に筆記してもらうことによって(身体が不自由で公証役場に行けない場合は出張も可能)、遺言書の作成が可能となります。
費用はかかりますが、公正証書遺言書は、法的に信頼性が高く、強力な効果があります。確実に有効な遺言を作成したい方は公正証書遺言の作成をおすすめします。
■ 公正証書遺言のメリットは?
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■ 公正証書遺言のデメリットは?
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■ 公正証書遺言書の作成の5ステップ
公正証書遺言書の作り方を5つのステップにわけて解説します。
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1.遺言書の原案を作成する
財産を洗いだして一覧表(預貯金、不動産、株式等)を作成して、誰に、どの財産を相続させるのかの原案を作成します。原案は遺言者が自由に決めることができます。遺言書の原案の作成に関して、少しでも不安がある場合は、行政書士、司法書士、税理士、弁護士など、それぞれの専門家に相談します。
相続人は、遺留分に当たる部分については、その他人に対して、遺留分侵害額に相当する金銭の支払いを請求することができます遺留分を侵害するような内容の遺言も有効ですが、後から遺留分をめぐる争いが起きないよう、遺留分には気をつけて遺言を作成する必要があります。
※「遺留分」とは、法定相続人(配偶者、直系卑属、直系尊属)が法律で最低限もらえる相続財産のことです。
2.必要書類を準備する
原案作成と並行して、必要書類の準備も進めていきます。「預貯金通帳のコピー・不動産関係の固定資産税の納税通知書・登記事項証明書などの財産の内容がわかる書類」、遺言者本人の「印鑑証明書・身分証・戸籍謄本」それに財産を渡す相手の「戸籍謄本・住民票」、証人の住所、職業、氏名、生年月日を書いたメモ、遺言執行者の住所、職業、氏名、生年月日を書いたメモなどが必要になります。
3.証人2名以上への依頼
公正証書遺言には2人の証人が必要なため、このステップで誰にお願いするか決めておきます。後で断られると困りますので、実際にお願いするところまでをこのステップで済ませておきましょう。遺言書の内容を知られても困らないように 行政書士、司法書士、税理士、弁護士など の守秘義務のある専門家に依頼することも検討してみてください。ただし、次の項目に当てはまる人は証人になれません。
- 未成年者
- 推定相続人(相続が開始した場合に相続人となる者)
- 受遺者(遺言によって財産の贈与を受ける者)
- 受遺者の配偶者および直系血族
- 公証人の配偶者および4親等内の親族
- 公証役場の書記や使用人など
4.公証人と打ち合わせをする
最寄りの公証役場を選び、相談の予約をします。まずは電話かメールで問い合わせてみましょう。公証人に相談をする際は、用意した書類を全て持参します。足りない書類があれば教えてもらえ、不足している書類があれば、郵送やFAXで送る形でも対応してもらえます。相談内容を元に公証人が法律で有効な遺言書案を作ってくれます。遺言書案の打合せが必要なので期間的には2週間〜1ヶ月程度の余裕はほしいところです。ある程度の時間をかけて公証人と打合せを行っていきます。
5.公証役場に出向き、遺言書を作成する
公証役場と遺言書案の調整を重ねながら日程を決めて証人2人と公証役場へ向かい、公証人立会いのもと下記の作成手続きが進められていきます。公証人手数料はこのときに現金で持参するようにします。
①公証人の挨拶
②遺言者と証人2名に対して公証人から本人確認を受ける
③公証人が筆記した内容を遺言者及び証人に読み聞かせる。
④遺言者及び証人が、筆記の正確なことを承認し、各自これに署名押印。
⑤公証人が、民法969条の方式に従い真正に作成された旨を付記し署名押印。
遺言書の原本は公証役場で保管されます。遺言者に渡されるのが、正本や謄本です。正本や謄本を紛失してしまった場合には再発行してもらえますが、正本は原本と同じ効力を持つため大切に保管しておきましょう。
■ 自筆証書遺言とは?
自筆証書遺言(民法978条)とは、遺言者が遺言書の全文,遺言の作成日付及び遺言者氏名を必ず自書して,これに押印することによって作成するという方式の遺言です。
自筆証書遺言は、下記のような形式(様式)が決まっており、記載内容に不備があると無効になります。
・遺言書の全文を必ず遺言者本人が自分の手で書かなければなりません。代筆は認められません。また、パソコン等で入力してプリントアウトしたものは無効です。(録音・録画された遺言書も無効です。)
・遺言者の署名のない遺言書は無効です。(もちろん他人が署名した遺言書も無効です。)
・共同で書いた遺言書は無効です。(ご夫婦が共同で遺言書を作成するなどはできません、それぞれ別々に遺言書を作成する必要があります。)
・遺言の作成日付は、日付が特定できるように正確に記載しなければいけません。(たとえば「令和3年3月吉日」は不可。吉日は具体的な日付が特定できないため)
・財産目録(相続財産の一覧表)は,自書でなく,パソコンを利用したり,不動産(土地・建物)の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付する方法で作成することができますが,その場合は,その目録の全てのページに署名押印が必要です。
・書き間違った場合の訂正や,内容を書き足したいときの追加は,その場所が分かるように示した上で,訂正又は追加した旨を付記して署名し,訂正又は追加した箇所に押印します。
■ 自筆証書遺言のメリットは?
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■ 自筆証書遺言のデメリットは?
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(参考) 法務局に遺言を保管できる 「自筆証書遺言書保管制度」が2020年に創設されました!
遺言者本人の死亡後、相続人等に発見されなかったり、一部の相続人等により改ざんされる等の恐れが指摘されています。この自筆証書遺言のメリットを損なわず、問題点を解決するための方策として、法務局に遺言を保管できる「自筆証書遺言書保管制度」が2020年7月創設されました。
くわしくはこちらから(法務省HP)→ 自筆証書遺言書保管制度 (moj.go.jp)
つじもと行政書士事務所
代表行政書士 辻󠄀本利広
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