行政書士の使命は、行政に関する手続の円滑な実施に寄与するとともに国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資することにある。行政書士は、その使命を果たし、自らの行動を規律する社会的責任を負う。我々はその責任を自覚し、国民の信頼と期待に応えることを宣言する。よって、ここに行政書士の職務に関する倫理と行為規範を明らかにするため、行政書士法(昭和26年法律第4号。以下「法」という。)第4章、日本行政書士会連合会(以下「本会」という。)会則第9章、同第62条の2、同第81条、同第81条の2及び同第82条に基づき、行政書士職務基本規則を制定する。

第1章 基本倫理

(行政書士の責務等)

第1条 行政書士は、誠実にその職務を行うとともに、行政書士の信用又は品位を害するような行為をしてはならない。

2 行政書士は、国民の信頼と期待に応えるべく、自らの行動を規律する。

(自由独立公正)

第2条 行政書士は、職務を行うにあたっては、職責を自覚し、自由独立公正の立場を保持する。

(研鑽)

第3条 行政書士は、教養を深め、法令及び実務に精通するため、研鑽に努める。

(品位保持)

第4条 行政書士は、たえず人格の向上を図り、行政書士としての品位を保持しなければならない。

(品位を損なう事業への参加)

第5条 行政書士は、公序良俗に反する事業その他の品位を損なう事業を営み、又はこれに加わってはならない。

(公益活動の実践)

第6条 行政書士は、その使命にふさわしい公益活動に参加し、実践するように努める。

 

第2章 一般規律

(名義貸しの禁止等)

第7条 行政書士は、自ら職務を行わないで自己の名義を貸与し、その者をして職務を行わせてはならない。

2 行政書士は、行政書士の身分を有したまま、団体、法人等に雇用され当該法人又は団体等に行政書士の業務を行わせてはならない。

(事務所)

第8条 行政書士(行政書士の使用人である行政書士又は行政書士法人の社員若しくは使用人である行政書士(第4項において「使用人である行政書士等」という。)を除く。本条第2項、同第 3項、同第5項、同第6項、第 24 条、第 45 条及び第 46 条において同じ。)は、その職務を行うための事務所を設けなければならない。

2 行政書士は、事務所の設置にあたっては、職務取扱上の秘密を保持し得るよう明確な区分を設けるとともに、他人が容易に侵入できない構造にしなければならない。また、事務所の管理に責任を持ち、正常な利用、運営を図らなければならない。

3 行政書士は、事務所を2以上設けてはならない。

4 使用人である行政書士等は、その職務を行うための事務所を設けてはならない。

5 行政書士は、その事務所に行政書士の事務所であることを明らかにした表札を掲示しなければならない。

6 行政書士は、その事務所について、他の法律において使用を制限されている名称又は行政書士の事務所であることについて誤認混同を生じるおそれがあるものその他行政書士の品位を害する名称を使用してはならない。

(資質の向上)

第9条 行政書士は、本会会則第 62 条の2第1項に定める研修を受け、その資質の向上を図るように努める。

2 行政書士は、本会会則第 62 条の2第3項の倫理研修のうち本会倫理研修規則第2条第一号に定める一般倫理研修を受講しなければならない。

(職務上請求書)

第 10 条 行政書士は、職務上請求書(本会会則第 61 条の2第2項の職務上請求書をいう。次項において同じ。)につき、適正な使用及び管理をしなければならない。

2 行政書士は、職務上請求書を、その職務上必要な請求に限り使用できるものとし、これ以外の請求や、身元調査等、人権侵害のおそれがある使用は、これを行ってはならない。

3 行政書士は、本会職務上請求書の適正な使用及び取扱いに関する規則を遵守しなければならない。

(秘密保持の義務)

第 11 条 行政書士は、正当な事由がなく、その職務上取り扱った事項について知り得た秘密を漏らしてはならない。行政書士でなくなった後も、また同様とする。

2 行政書士は、その職務に従事する補助者及び事務職員等に対し、その者が職務上知り得た秘密を保持させなければならない。補助者及び事務職員等でなくなった後も、また同様とする。

3 行政書士は、事件記録を保管し、又は廃棄するに際しては、秘密及びプライバシーに関する情報が漏れないように注意しなければならない。

(目的外の権限行使の禁止)

第12 条 行政書士は、職務上の権限を目的外に行使してはならない。

(職務の公正保持等)

第 13 条 行政書士は、その職務を行うにあたっては、公正でなければならず、親切丁寧を旨としなければならない。

(違法行為の助長等の禁止)

第 14 条 行政書士は、違法若しくは不正な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。

2 行政書士は、詐欺的取引、暴力その他違法若しくは不当な行為を助長し、又はこれらの行為を利用してはならない。

3 行政書士は、犯罪による収益の移転防止に関する法律(平成 19 年法律第 22 号)を遵守し、必要な取引時の確認、記録等の保存、疑わしい取引等の届出をしなければならない。

(不当誘致行為の禁止)

第15 条 行政書士は、不正又は不当な手段で、依頼を誘致するような行為をしてはならない。 2 行政書士は、金品の提供、供応その他不当な行為により行政書士の業務の依頼を誘致してはならない。

3 行政書士は、依頼者の紹介を受けたことについて、その紹介の対価を依頼者の報酬に上乗せしたり、職務内容と比較して法外な金額を請求したりしてはならない。

4 行政書士は、依頼者の紹介をしたことについて、その対価を要求してはならない。

(反社会的勢力との関係拒否)

第 16 条 行政書士は、反社会的勢力と一切の関係をもってはならない。また、反社会的勢力による不当要求は拒絶しなければならない。

2 行政書士は、相手方が反社会的勢力であるかについて、常に、通常必要と思われる注意を払うとともに、反社会的勢力とは知らずに何らかの関係を有してしまった場合には、相手方が反社会的勢力であると判明した時点又は反社会的勢力であるとの疑いが生じた時点で、速やかに関係を解消しなければならない。

(広告宣伝)

第 17 条 行政書士は、不当な目的を意図し、又は品位を損なうおそれのある広告宣伝(ホームページ、SNS 等によるものを含む。以下同じ。)を行ってはならない。

2 行政書士は、事実に合致しない内容の広告宣伝を行ってはならない。

3 行政書士は、誤認又は誤導のおそれのある内容の広告宣伝を行ってはならない。 4 行政書士は、誇大な広告宣伝を行ってはならない。

(補助者等に対する指導監督)

第 18 条 行政書士は、補助者及び事務職員等に対し、常に適切な指導監督を行わなければならない。

2 行政書士は、補助者及び事務職員等をしてその職務を包括的に処理させてはならない。

(私的関係の利用)

第 19 条 行政書士は、職務を行うにあたり、公務員等との私的関係を利用して交渉してはならない。

(誹謗中傷等の禁止)

第 20 条 行政書士は、依頼者、他の行政書士、本会、所属する行政書士会(以下「単位会」という。)等を誹謗中傷する等、信義に反する行為をしてはならない。

(ハラスメントの禁止)

第 21 条 行政書士は、職務上、職務外を問わず、ハラスメント行為(これに類する行為を含む。)をしてはならない。

(行政書士徽章の着用等)

第 22 条 行政書士は、職務を行うときは、行政書士徽章(以下「徽章」という。)を常に着用しなければならない。

2 行政書士は、徽章を他人に譲渡又は貸与をしてはならない。行政書士でなくなった後も、また同様とする。

(行政書士証票の携帯等)

第 23 条 行政書士は、職務を行うときは、行政書士証票(以下「証票」という。)を常に携帯しなければならない。

2 行政書士は、証票を他人に譲渡又は貸与してはならない。

(報酬額の掲示)

第 24 条 行政書士は、その職務に関し受ける報酬額表を本会の定める基本様式に準じて作成し、事務所の見やすい場所に掲示しなければならない。

2 行政書士は、前項の報酬額表の掲示に加えて、インターネットを利用した方法等により公表するよう努める。

(職名の使用)

第 25 条 行政書士名簿に職名の併記を受けた行政書士は、法、法施行規則及び本会の定めによって当該行政書士を表示又は署名若しくは記名するときは、戸籍上の氏名を表示又は署名若しくは記名しなければならない場合を除き、職名を使用しなければならない。

(税法等の遵守)

第 26 条 行政書士は、税務関連諸法令を遵守するとともに関連する書類等を適切に管理、保存しなければならない。

 

第3章 依頼者との関係における規律

(依頼者の意思の尊重)

第 27 条 行政書士は、委任の趣旨に関する依頼者の意思を尊重して職務を行わなければならない。

2 行政書士は、依頼者が疾病その他の事情のためその意思を十分に表明できないときは、適切な方法を講じて依頼者の意思の確認に努める。

(説明及び助言)

第 28 条 行政書士は、依頼の趣旨を実現するために、的確な法律判断に基づき、説明及び助言をしなければならない。

(依頼に応ずる義務)

第29 条 行政書士は、正当な事由がある場合でなければ、依頼を拒むことができない。

2 行政書士は、事件の受託にあたり、依頼者等が本人であることを、面談等の適切な方法により確認しなければならない。

(依頼の拒否)

第 30 条 行政書士は、正当な事由がある場合において依頼を拒むときは、その事由を説明しなければならない。この場合において依頼者から請求があるときは、その事由を記載した文書を交付しなければならない。

(不正の疑いがある事件)

第 31 条 行政書士は、依頼の趣旨が、目的、内容又は方法において不正の疑いがある場合には、事件の受任を拒否しなければならない。

(職務を行い得ない事件)

第 32 条 行政書士は、職務の公正を保ち得ない事由のある事件については、職務を行ってはならない。

(受任の趣旨の明確化)

第 33 条 行政書士は、依頼の趣旨に基づき、その内容及び範囲を明確にして事件を受任しなければならない。

(報酬)

第 34 条 行政書士は、事件の受任に際して、依頼者に対し、事件の難易、時間及び労力その他の事情に照らして、適正な報酬を明示し、かつ、十分に説明しなければならない。

2 行政書士は、不要な書類を作成し、又はみだりに報酬の増加を図る行為をしてはならない。 3 行政書士は、不当に廉価な報酬で事件を受任してはならない。

4 行政書士は、事件の受任に際して、社会通念上合理的な計算根拠をもって報酬を決定しなければならない。

(受任の内容の明確化)

第 35 条 行政書士は、事件を受託するにあたり、依頼者との間における信頼関係を保持するため、報酬等を明確に定めた契約書を取り交わす等、紛議が生じないように十分に配慮しなければならない。

(職務取扱の順序及び迅速処理)

第 36 条 行政書士は、正当な事由がない限り、依頼の順序に従って、速やかにその職務を処理しなければならない。

2 行政書士は、依頼者に対し、事件の経過及び重要な事項を必要に応じて報告し、事件が終了したときは、その経過及び結果を遅滞なく報告しなければならない。

(預り品の保管)

第 37 条 行政書士は、事件に関して依頼者その他利害関係人から書類その他の物品を預かったときは、善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。

(預り金の保管)

第 38 条 行政書士は、依頼者から又は依頼者のために預り金を受領したときは、自己の金員と区別して管理し、その状況を記録しなければならない。

2 行政書士は、依頼者のために金品を受領した場合には、速やかにその事実を依頼者に報告しなければならない。

(受任行政書士等の間の意見不一致)

第 39 条 行政書士は、同一の事件を受任している他の行政書士又は行政書士法人との間に、事件の処理についての意見が一致せず、これにより、依頼者に不利益を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対し、その事情を告げ、意見の不一致を解消するよう努める。

(受任後の利害対立)

第40 条 行政書士は、二人以上の依頼者があって、その相互間に利害の対立が生じるおそれのある事件を受任した後、依頼者相互間に現実に利害の対立が生じたときは、依頼者それぞれに対 し、速やかに、その事情を告げて、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

(信頼関係の喪失)

第41 条 行政書士は、事件に関し、依頼者との信頼関係が失われ、かつ、その回復が困難な場合には、辞任その他の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

(書類等の作成)

第42 条 行政書士は、法令又は事件の趣旨に反する書類を作成してはならない。 2 行政書士は、作成した書類に記名して職印を押さなければならない。

(事件の中止)

第 43 条 行政書士は、受任した事件の処理を継続することができなくなった場合には、依頼者が損害を被ることがないように、事件の中止や他の行政書士に引継ぐ等の事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

(事件の終了)

第44 条 行政書士は、受任した事件が終了したときは、遅滞なく、金銭の精算、物品の引渡し及び預った書類等の返還をしなければならない。

(領収証)

第45 条 行政書士は、依頼者から報酬を受けたときは、本会の定める様式により正副2通の領収証を作成し、正本は、これに記名し職印を押して当該依頼人に交付し、副本は、作成の日から5年間保存しなければならない。

(事件簿等の備付及び保存)

第 46 条 行政書士は、その職務に関する帳簿(以下「事件簿」という。)を備え、これに事件の名称、年月日、受けた報酬の額、依頼者の住所氏名等を記載しなければならない。

2 行政書士は、事件簿をその関係書類とともに、閉鎖のときから2年間保存しなければならない。行政書士でなくなったときも、また同様とする。

(依頼者との金銭貸借等)

第 47 条 行政書士は、特別の事情がない限り、依頼者と金銭の貸借をし、又は自己の債務について依頼者に保証を依頼し、若しくは依頼者の債務について保証をしてはならない。

(賠償責任保険)

第 48 条 行政書士は、依頼者を保護するために、職務上の責任について賠償責任保険に加入するように努める。

(公務等との関係)

第49 条 行政書士は、公務員又は法令により公務に従事する者として取り扱った事件について、職務を行ってはならない。

2 官公署等に出向した者又は単位会等における街頭無料相談員等は、関与した事件を自ら引き受けるように仕向けてはならない。

 

第4章 職務に関する規律

(職務の規律)

第 50 条 行政書士は、国民の利便に資し、もって国民の権利利益の実現に資するため、真正な書類を作成し、行政に関する手続の円滑な実施に寄与しなければならない。

(法令遵守の助言)

第 51 条 行政書士は、職務を受任し又は相談に応じる場合には、依頼者に対して、法令を遵守するように助言しなければならない。

2 行政書士は、依頼者に不正又は違法な手段を助長するような助言及び行為をしてはならない。

(紛議の処理)

第 52 条 行政書士は、職務に関して紛議が生じた場合には、自主的かつ円満な協議により解決するように努める。

 

第5章 特定行政書士の規律

(審査請求等の迅速処理)

第53 条 特定行政書士は、法第1条の3第1項第二号に定める審査請求手続等(以下「審査請求手続等」という。)を受任した場合には、依頼者の権利が速やかに実現されるように努める。

(公正を保ち得ない事件)

第 54 条 特定行政書士は、審査請求手続等を行うにあたり、依頼者の利益と他の依頼者の利益が相反する事件を受任してはならない。

2 特定行政書士は、依頼者の利益と自己の経済的利益が相反する事件を受任してはならない。

(公正を保ち得ないおそれ)

第55 条 特定行政書士は、職務の公正を保ち得ない事由の発生するおそれがある場合には、あらかじめ依頼者に対し、その事情を説明し、職務を行うことができないことについて、 同意を得るように努める。

(不正の疑いがある事件)

第56 条 特定行政書士は、依頼の趣旨が、その目的又は手段若しくは方法において不正の疑いがある場合には、事件を受任してはならない。

(特別関係の告知)

第57 条 特定行政書士は、事件の受任に際して、依頼者の相手方と特別の関係があるために、依頼者との信頼関係に影響を及ぼすおそれがあるときは、依頼者に対しその事情を告げなければならない。

(受任後の処置)

第58 条 特定行政書士は、事件を受任した後に前4条に該当する事由があることを知ったときは、依頼者に対し速やかにその事情を告げ、事案に応じた適切な措置をとらなければならない。

 

第6章 申請取次行政書士等の規律

(申請取次制度等への寄与)

第59 条 行政書士は、出入国管理及び難民認定法(以下「入管法」という。)並びに入管法施行規則に定める申請取次(以下「申請取次」という。)制度等の発展に寄与する。

(特別倫理研修の受講)

第 60 条 入管法施行規則に基づく地方出入国在留管理局長への届出を希望する行政書士は、本会会則第 62 条の2第3項の倫理研修のうち本会倫理研修規則第2条第二号に定める特別倫理研修を受けなければならない。

(不正な申請取次等の禁止)

第 61 条 前条の研修を修了し、届出を行った行政書士(以下「申請取次行政書士」という。)は、許可を受けさせることを目的として、資料の内容が偽りであると知りながら出入国在留管理庁(以下「入管庁」という。)に提出してはならない。

2 申請取次行政書士は、申請内容に係る虚偽の説明を入管庁に行ってはならない。

3 申請取次行政書士は、申請人又は入管法上の代理人から直接依頼を受けることなく、第三者を介して依頼を受けた申請取次をしてはならない。

(国籍に関する書類の作成)

第62 条 行政書士は、国籍に関する書類の作成を受任した場合には、依頼者の意思を尊重し、かつ、人権に配慮しなければならない。

 

第7章 成年後見業務に関する規律

(成年後見制度への寄与)

第63 条 行政書士は、国民に信頼され、国民が利用しやすい成年後見制度の発展に寄与する。

(関係機関等との連携)

第64 条 行政書士は、成年後見に関する業務を行うにあたっては、行政機関、福祉関係者等と協力し、連携を図るように努める。

(成年後見に関する相談)

第65 条 行政書士は、成年後見に関する相談に応じる場合には、本人及び関係者から、その意 見、本人の心身の状態並びに生活及び財産の状況等を聴取した上で、適切な助言をしなければならない。

(成年後見等の手続の選択)

第66 条 行政書士は、法定後見制度の利用に際しては、本人及び申立人の意思を確認し、本人の権利擁護と身上に配慮した手続の選択が行われるようにしなければならない。

(成年後見人等への就任)

第67 条 行政書士は、成年後見人等に就任した場合には、本人の意思を尊重し、その心身の状態並びに生活及び財産の状況に配慮して職務を行わなければならない。

 

第8章 その他の職務に関する規律

(財産管理事務)

第68 条 行政書士は、財産管理事務を行う場合には、自己又は自己の管理する他の財産と判然区別可能な方法で個別に保管する等、善良な管理者の注意をもって管理しなければならない。

2 行政書士は、前項の事務執行中、本人の財産又は本人に対する第三者の権利を譲り受ける等、本人と利益相反する行為をしてはならない。

3 行政書士は、第1項の管理に関する記録を備え置き、依頼者等へ報告しなければならない。 4 行政書士は、財産管理事務を終了したときは、遅滞なく、金銭の清算、物品の引渡し及び預っ

た書類等の返還をしなければならない。

(補助金等申請業務)

第69 条 行政書士は、補助金等申請業務を受任した場合には、依頼者の権利が速やかに実現されるように努める。

2 行政書士は、補助金等を受けさせることを目的として、資料の内容が偽りであると知りながら官公署等に申請をしてはならない。

3 行政書士は、申請内容に係る虚偽の説明を官公署等に行ってはならない。

 

第9章 行政書士法人等に関する規律

(遵守のための措置)

第70 条 行政書士法人の社員は、その行政書士法人の社員又は使用人である行政書士(以下「社員等」という。)がこの規則を遵守するために必要な措置をとるように努める。

(秘密の保持)

第71 条 社員等は、正当な事由のある場合を除き、その行政書士法人、他の社員等の依頼者について職務上知り得た秘密を保持しなければならず、また、利用してはならない。社員等でなくなった後、又は行政書士でなくなった後も同様とする。

(共同・合同事務所等の措置)

第72 条 二人以上の行政書士又は行政書士以外の者と事務所を共にする行政書士は、この規則を遵守するために必要な措置をとらなければならない。

 

第10章 他の行政書士との関係における規律

(信頼関係の尊重)

第73 条 行政書士は、他の行政書士が受任している事件の処理に協力する場合には、その行政書士と依頼者との間の信頼関係を尊重しなければならない。

(他の行政書士の参加)

第74 条 行政書士は、受任した事件について、依頼者が他の行政書士の参加を希望する場合には、正当な理由なくこれを拒んではならない。

(他の事件への介入)

第75 条 行政書士は、他の行政書士が受任している事件へ不当に介入しようとしてはならない。

(相互協力)

第76 条 行政書士は、他の行政書士と共同して職務を行う場合には、依頼の趣旨の実現に向け、相互に協力しなければならない。

2 行政書士は、事件処理のために復代理人を選任する場合には、その代理権の範囲を明らかにし、復代理人と十分な意思疎通を図らなければならない。

 

第11章 行政書士会との関係における規律

(法令等の遵守)

第 77 条 行政書士は、法及び法に基づく命令並びに本会及び単位会が定める規則等を遵守しなければならない。

(自治の確立)

第 78 条 行政書士は、常に自治の確立に努め、本会等の組織運営に積極的に協力しなければならない。

(事業への参加)

第 79 条 行政書士は、本会等が行う事業に積極的に参加し、また、委嘱された事項を誠実に遂行しなければならない。

 

第12章 雑則

(準用)

第 80 条 第3条、第6条、第9条、第 21 条、第 22 条第1項、第 23 条第2項、第 25 条、第 49

条、第60 条及び第79 条以外の規定は、行政書士法人について準用する。

 

(規則の改廃)

第81 条 この規則の改廃は、理事会の議決を経なければならない。

 

附    則

(施行期日)

1 この規則は、令和6年4月1日から施行する。

2 平成18年1月19日理事会にて承認された行政書士倫理は、この規則の施行の日をもって廃止する。